先週19日、UAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアが初会合を開催。両国で計16名の議員が出席し、共同デジタル通貨を新たに作成することが海外仮想通貨メディアの報道によって発表されました。2国間で実施される初のプロジェクトは、ブロックチェーン技術についての調査を目的としており、今後の進展が期待されています。
UAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアが仮想通貨プロジェクトを実施
※画像引用元:Emirates News Agency
2019年1月19日、サウジ首長国調整委員会の執行委員会がアブダビで初会議を開催し、共同デジタル通貨を新たに作成することが報じられました。
双方から16名のメンバー全員が参加し、まとめられた共同イニシアチブの実行をフォローアップしたとメディアによって報じられました。
プロジェクトでは両国間の経済、社会、軍事統合の共同ビジョンが示されているとしています。
アラブ首長国連邦側からムハンマド・ビン・アブヴドゥラ・アイ・ゲルガウィ(Mohammad bin Abdullah Al Gergawi)大臣、サウジ側からはムハンマド・ビン・マジアッド・アルトゥワイジリ(Mohamedad bin Mazyad Altwaijri)大臣が率いる7つの戦略的イニシアチブの立ち上げを発表しました。
会合ではサービスと金融市場や観光分野のほか、航空、起業家精神、税関と安全保障の分野における二国間の統合について話し合われ、同委員会は共同イニシアチブの実施を確実にすることを任務とする事を確認しています。
サウジ首長国同盟とは
※画像引用元:Emirates News Agency
サウジ首長国同盟は、世界で最も強い経済的同盟の1つで、王国とアラブ首長国連邦が共同設立したソブリンウェルスファンドは世界第2位にランクされています。
世界銀行のデータによると、両国は財とサービスの輸出の面で世界第8位にランクされているほか、両国上場企業の時価総額は世界で17番目であり、両国は世界総株式の約4分の1を占める石油備蓄を有しています。
会合で発表された7つのイニシアチブとは
※画像引用元:Emirates News Agency
UAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアの2国間委員会の会合で発表された7つのイニシアチブは以下のとおりです。
2国間共同のデジタル通貨の試行
国境を越えたデジタル通貨は、ブロックチェーンテクノロジの意味をよりよく理解し、国境を越えた支払いを容易にすることを目的として、実験段階で厳密に銀行を対象として試行を実施する予定です。
仮想通貨は中央銀行をはじめとする参加銀行との間の両側からの分散データベースに依存予定で、顧客の利益を保護するほかテクノロジ標準の設定や、サイバーセキュリティリスクを評価していく予定となっています。
認定経済運営者の枠組みの適用
このイニシアチブは、ファストトラックシステムの採用と「認定経済運営者」の枠組みの適用を通じて、両国間の通関口および税関での交通の流れを促進します。
税関と商業施設間の円滑な運営と、両国間の円滑な貿易に貢献することを目的としています。
認定経済オペレーターにリストアップされた企業の数はサウジアラビア側からは41社で、アラブ首長国連邦側からは40社となっています。
共同プラットホームの設立
中小企業を支援するための共同プラットフォーム登録サウジアラビアとアラブ首長国連邦の中小企業が、両国からの政府調達配分から恩恵を受け、連邦政府調達の相互依存という点で競争できるようにするための共同プラットフォームの設立を予定しています。
子供に向けた金融系発プログラム
子供のための金融啓発プログラムは、7歳から18歳までの若者の基本的な金融概念を推進することを目的としています。
プログラムは彼らが節約とスマートな支出について学ぶために、ビジネス界をシミュレートすることを可能にしているほか、カスタマイズされたトレーニングコースを通して起業家精神の文化を学べる機会を設けます。
合同演習トレーニング
サプライセキュリティシステムをテストするための合同演習トレーニングは、危機や自然災害の間に両国の重要分野でサプライチェーンセキュリティシステムをテストし、それに応じた改善点を特定するほか、実施計画を策定することを目的としています。
この合同演習では、緊急時における両国の関連部署間の直接的なコミュニケーションとリスク管理のためのメカニズムの構築、ならびにサプライチェーンのセキュリティとリスク管理に関する専門知識、知識および経験の共有を実施していく。
旅行者数の増加
旅行者数を増やすため、両国の障がい者に優しい空港づくりや、旅行者数の向上を目指す。
さらに、旅行者数増加に付随する旅行手続きや規則の明確なルール作りを策定のほか、空港乗務員の訓練などが実施される予定です。
民間航空のための共通市場
2国間にある民間航空会社のための共通市場を設ける。
航空ナビゲーションや安全性およびセキュリティ、ならびに航空事故の調査を含む重要な分野において、民間航空部門における包括的な統合および協力を達成することを目的にして設立される予定です。
共通の航空市場は、両方の国が合同でこの地域で最大の経済を有していくための経済統合に向けた先進段階であると考えられています。