アメリカの連邦道路局は、ブロックチェーンを使用してアメリカ国内の高速道路に革命をもたらし、変革するための提案をしました。高速道路の管理・改革のためのブロックチェーン研究費用を影響することが発表されました。
アメリカ運輸省がブロックチェーン研究費を提供
※画像引用元:FHWA
FHWA(Federal Highway Administration=米国連邦道路庁)(米国運輸省の1部門)は、高速道路の管理を改革するためにブロックチェーンの研究に資金を提供する予定であることが海外メディアの報道によってわかりました。
最大20万ドル提供される資金は、2020年3月20日の期限までに、高速道路工学にとって、“革命的な”変革の提案ができる企業に提供されるとのこと。
FHWAは、探索的高度研究プログラム(Exploratory Advanced Research Program)が発行したBroad Agency Announcement(代理店)の一部として、いくつかのユースケースのブロックチェーンを調査しています。
提案された研究トピックには、車両間および車両からインフラストラクチャー(下部構造)へのアプリケーションの安全な証明書管理や高速道路の価格設定などが含まれます。
代理店は動的およびオークションベースのメカニズムを求めているとのこと。
民間部門は、BMWやFordを含む5つの主要な自動車メーカーの集合体であるMOBI(Mobility Open Blockchain Initiative)の一環として、この分野を既に模索しています。
※当サイトのMOBIに関する特集記事「ブロックチェーンを車両にもたらすMOBIコンソーシアムの野望」もあわせてご覧ください。
このMOBIは現在、ブロックチェーンのサービス履歴と所有権を記録し、高速道路料金と駐車料金の自動支払いを可能にするブロックチェーン車両IDシステムのフィールドテストを実施している事を公表しています。
ブロックチェーンを使用した配達ルーティングとは
FHWAの広範な代理店の発表では、貨物データ管理に関するブロックチェーンベースの提案も同時に求めているとしています。
具体的には、FHWAは商品の引き取りや転送または配達のルーティングとタイミングに関するデータを匿名化することにより、セキュリティーを改善できるプロジェクトを探しているとのこと。
トランスポート分野は、ブロックチェーンが有益であると証明できる分野であると言われています。
商品とサービスを追跡および保護するためにブロックチェーンの不変の台帳を活用すると、コストが大幅に削減されるだけでなく、トレーサビリティーおよびセキュリティーの効率が向上します。
例えば…
カナダでは、ウォルマートが2019年後半に70台のトラック輸送パートナーにブロックチェーンベースの貨物および支払いネットワークを展開させました。
FHWAは、ブロックチェーンを閲覧する唯一の国家機関ではなく、オーストラリアの産業、科学、技術省では、国のインフラストラクチャーの大規模な再構築を詳述するブロックチェーンロードマップをリリースしています。
※オーストラリアのブロックチェーンへの取り組み関する当サイトの特集記事「オーストラリア政府が1,750億ドル相当のブロックチェーン部門計画発表」もあわせてご覧ください。
オーストラリアで発表されたロードマップは「国家ブロックチェーン戦略とロードマップ(national blockchain strategy and roadmap)」で、ブロックチェーンへのオーストラリアの取り組みは、1,750億ドルに相当するセクターを生み出すことを望んでいます。
アメリカはもともと、ブロックチェーンの実装において、トレーサビリティー(※1)と資金調達を非常に重視しています。
(※1) トレーサビリティー(traceability)とは、物品についての流通経路を生産から最終消費段階や廃棄段階まで追跡が可能な状態を指します。
また、ここ近年アメリカは中国と貿易戦争に突入していると言われており、相手国である中国もアメリカと同様にトレーサビリティに重点を置いていることが分かっています。
※当サイトのアメリカに関する特集記事「世界のブロックチェーンレースにおけるアメリカと中国の違いとは?」もあわせてご覧ください。
このような環境から今回、アメリカの運輸省がブロックチェーンの研究資金を提供すると発表したのも世界的なブロックチェーンリーダーとして成功させるための戦略の一つと言えます。