スタートアップ企業で、ブロックチェーンソリューション企業として活躍しているOrbsが、フードチェーン詐欺を削減させながら、不要な政府の支出を削減させるための仕組みをブロックチェーンを用いた方法で提案し、仮想通貨市場内外から高い関心が寄せられています。
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Orbsの考える政府による不要支出を減らす方法とは
※画像引用元:Orbs「About SNAP」
エンタープライズブロックチェーンソリューション企業のOrbsが今週初め、SNAP (Supplemental Nutrition Assistance Program=補充的栄養支援プログラム)における不正対策に対し、ブロックチェーン駆動型アプローチが有効である可能性を示す報告書を発行しました。
Orbsは、ブロックチェーンが国のより広範囲な福祉プログラムにおいて、潜在的な官僚の浪費の最小化にも役立つと考えていると報告書にて述べています。
SNAP制度を悪用した詐欺とは
SNAPとは、かつてはフード・スタンプ・プログラムと呼ばれていたアメリカ最大の福祉政策で、現在はSNAPの名称で新たな方針を盛り込み、低所得家庭に食料品の購入を支援する福祉政策です。
低所得で受給有資格を有する家庭が栄養的に適切な食事を摂ることを目標に政府が補助し,食品購買力を高めるため、1960 年代に始まった同政策は、当初約288万人が受給対象者でしたが、2015 年には,約 4,577 万人にも増加しており、現在アメリカ国民の約7人に一人が受給しています。
昨年度のSNAP受給世帯数はおよそ2,000万世帯、4,000万人にのぼり、これは約650億ドルの納税者資金援助を意味しています。
※画像引用元:Orbs「About SNAP」
Orbsの報告書によると、SNAP受給者の中には、制度の特典と引き換えにEBT(電子給付金)カードを配ってから、SNAPカードが紛失したと虚像申請して再発行させるなどしており、2016年度には5億9,270万ドルが「不正」とみられており、給付合計額の0.8%であると指摘しています。
Orbs の不正削減によるメリットとは
Orbsでは、ブロックチェーン駆動のオーバーホールがSNAPシステムの不正を減らすだけでなく、官僚による無駄や組織重複の結果として生まれるアメリカの福祉システム全体の不必要なコスト削減にも役立つと考えています。
同社の報告書では、暗号デジタルウォレットと組み合わせ、自分のデジタルID(関連するすべての個人情報を含む)を作成し、必要に応じてこの情報を異なるプログラムと選択的に共有でき、無駄を省きます。
この提案では、暗号ウォレットとペアになっており、各プログラムから利益を受け取れると報告書の中で述べています。
暗号化デジタルウォレットへの移行は簡素化され、SNAP受給者らはEBT使用で既存のシステムと、ブロックチェーン技術を導入後に違いがあることは気付かないだろうとしています。
しかし、全体的な効率を最大限発揮させるためには同プログラムが新しい暗号化EBTを時間とともに使用する必要があるだろうと述べています。
暗号化ウォレットによるメリットとは
SNAPシステムにブロックチェーン技術を導入することで得られるメリットがいくつかあり、必要に応じて、異なるソーシャルプログラム用に複数のアドレスを生成できます。
追加プログラムがEBTを使用するごとに、参加者にとって重要性が高まり、直接的な結果として、これらの個人が違法に現金と交換する傾向が低くなり、結果としてSNAPを利用した不正を減少させる可能性があります。
これらの暗号化されたEBTウォレットは、現時点では入手しやすい状況ですが、社会的利益を享受し、ウォレットを持たない人々も注目し始め、銀行は不要と見なした時、個人の代替銀行口座として機能する可能性があるだろうとOrbsの報告書は締めくくっています。
SNAPを利用した不正は、アメリカ国内で最も議論の対象になっている問題だけに、OrbsによるSNAP詐欺減少策はアメリカ社会にも一石講じる秘策となるでしょう。