クリプトの女王と言われ、注目されていたOneCoinの弁護士によるマネーロンダリング疑惑裁判で、該当弁護士がついにマネーロンダリングの罪を認めたことが海外メディアによって報じられました。ここではその裁判内容などについて、初心者ユーザーにも分かりやすく解説します。
OneCoin 弁護士がついにマネーロンダリングを認める
裁判記録によると、OneCoinの弁護士であるマーク・スコット(Mark Scott)容疑者が、3週間に及ぶ取り調べを受けた後、裁判にかけられ、マンハッタン地方裁判所にて、マネーロンダリングと銀行を相手にした詐欺の罪で懲役50年を検察が求刑、この裁判は来年2月21日に判決公判場開かれる予定です。
検察官は、著名な国際法律事務所であるLocke Lord LLPの元エクイティパートナーに、5,000万ドルが支払われ、4億ドルをアメリカ国外に送ったとその容疑内容を述べました。
※当サイトのOneCoinに関連する特集記事「仮想通貨OneCoinを使った世界的詐欺集団のリーダーがついに詐欺容疑で逮捕」、「アイルランド銀行の幹部にOneCoin 4億ドル巨額詐欺事件の証言を要請」、「クリプト女王と呼ばれたOneCoinのマネロン裁判が米マンハッタンで始まる」もあわせてご覧ください。
スコット容疑者は、経験豊富な企業弁護士としての専門知識を使用し、偽の投資話を持ち掛け、集められた数億ドルの詐欺収益をマネーロンダリングしていたと、ジェフリーS.バーマン(Geoffrey S. Berman)検事弁護士は語っています。
大金を稼ぐことで得意気になっていたスコット容疑者は、現在マネーロンダリングなどの罪による裁判のため、刑務所に収容されています。
スコット容疑者の弁護士は、OneCoinが無価値であることを認識していないとの主張を繰り返していましたが、これらの訴えは全て却下されています。
元米大統領の兄弟とのクリプトクイーン会議
裁判所の文書により、ジョージ・W・ブッシュ前大統領の兄弟であるニール・ブッシュ氏が、2017年にクリプトクイーンと呼ばれたブルガリアの技術起業家、ルジャ・イグナトフ(Ruja Ignatova)容疑者に会うために30万ドルを支払っていたことが明らかになりました。
ニール・ブッシュ氏は、会議に関連してアメリカ政府関係者から2回インタビューを受けていたことを、スコット容疑者の弁護士が明かしています。
スコット容疑者の弁護士は、ニール・ブッシュ氏が中国の裕福なビジネスマンであるホイ・チ・ミン博士が所有するホイフ・エナジーの取締役会にいたためだと説明しています。
報告によると、MingはOneCoinが提供する購入価格の大部分で、アフリカの油田を購入するために6,000万ドルの取引に関与したと言われており、ニール・ブッシュ氏は取引からの利益によるものであったものの、不特定という理由で事件の成立にはなりせんでした。
憤りを隠せないOneCoin詐欺の被害者たち
ルジャ・イグナトワはOneCoin詐欺が発覚した後の2018年に行方をくらましており、BBCポッドキャスト、The Missing Cryptoqueenにて最も賑わすこととなりました。
同氏については現在も行方不明のため、容疑者不在の状態のまま、マネーロンダリングと詐欺罪で起訴されています。
ルジャ・イグナトワ容疑者の兄弟であるコンスタンチン・イグナトフ(Konstantin Ignatov)は、マネーロンダリングと詐欺に対して有罪を認めており、すでに懲役90年の刑で刑務所に収容されています。
この詐欺によって詐取されたと主張するアメリカに拠点を置く投資家らは、関連する事件の補償のため、今後スコットとイグナトフを集団で訴える構えをみせています。
しかし、OneCoinは本物であり、「暗号通貨の定義のすべての基準を確実に満たしている」という声明を引き続き発行している一方で、被害者はOneCoinにまだ関与している人物らによる嫌がらせや殺人の脅威を感じていると苦しい胸の内を話しています。
被害に遭った投資家は、ウガンダ、英国、ベトナム、アメリカにまで被害者が拡大しており、投資家から集められた資金は公表されている金額より実際ははるかに多く、推定500億ドルの被害に上るのではないかと言われています。