7月11日に発令された大統領令には、仮想通貨に関わりのある内容が含まれていると話題になっています。
大統領制ではない日本ではあまり馴染みのない“大統領令”ですが、よくニュースや新聞で目にすることがあるのではないでしょうか。
大統領の権限において、議会などの承認を得ることなく、発令できるもので、法律と同じくらいの効力を持つと言われています。
そんな大統領令の中で、マネーロンダリングなどの詐欺から高齢者や弱者を守るための文言があることが明らかにになりました。
「サイバー詐欺」と「仮想通貨詐欺」に焦点が当てられた大統領令の内容とトランプ政権の仮想通貨に対する姿勢を本日はお伝えします。
大統領令により規制が強化させる仮想通貨
画像引用:cnetより
前オバマ大統領は170件、ルーズベルト大統領においては、3500件以上の大統領令を発令しています。
トランプ大統領の大統領令では、中東やアフリカからの難民の受け入れ停止やTPPからの離脱などの大統領令が日本でも注目されました。
大統領令が出されたからといって、すぐに効力が発揮されるわけではありません。
最高裁判所が違法と判断することも議会が反対する法律を提出するこも可能です。
今回、トランプ大統領が発令した大統領令によって、サイバー詐欺と仮想通貨詐欺が対象になっていることが、ブルームバーグの発表から明らかになりました。
発令によると、米司法省、証券取引委員会や商品先物取引委員会などの政府機関による構成で、大統領令の内容を施行することになります。
健全な市場と消費者を守ることが理由に上げられていますが、トランプ政権が仮想通貨に対して、好意的ではない情報は常にありました。
2020年に標準を合わせた、OECDによる仮想通貨税の制定
ヨーロッパや北米などを中心にして成り立つ「経済協力開発機構(OECD)」では、世界中で台頭してきている仮想通貨やブロックチェーン技術に対する新たな協力体制に取り組んでいます。
「新しい技術に対する課税が与える影響」を包括的に協議し、実用的な対策などを協力していくことになり、2019年に新たな更新が加わった後の2020年をめどに導入していく計画です。
また、米国歳入庁はオーストラリア、カナダ、オランダ、イギリスの4カ国と協力をして、「J5」という協力関係を築きました。
このJ5設立の背景には、「仮想通貨とサイバー犯罪」がもたらす税制管理の驚異を払拭する狙いがあります。
日本ではすでに仮想通貨に税金を掛けており、所得に応じて課税率が変わってきます。
株にも税金がかかるのですが、株で損益がでた場合には、3年先まで繰越控除が受けられるのですが、仮想通貨はその対象ではありません。
今後、OECDによって新たな規制が決まれば、日本での税制も影響を与える可能性も考えられます。
トランプ政権による仮想通貨に対するその他の処置
7月11日に発表された大統領令よりも以前から、トランプ大統領は仮想通貨に対して大統領令を発令しています。
2カ月前の5月11日にも、トランプ大統領は大統領令を発令。
ハッキングなどからセキュリティが脅かされていることを受けて、サイバーセキュリティを強化する大統領令に著名をしました。
※ホワイトハウス公式サイト『Presidential Executive Order on Strengthening the Cybersecurity of Federal Networks and Critical Infrastructure』より
更に約2ヶ月前の3月には、アメリカ国内に向けて、ベネゼエラ政府の発行する仮想通貨「ペトロ」の取引を禁止。
ペトロの取引に関しての大統領令は、サイバーテロと言うよりは、ベネゼエラ政府に対する圧力と言われています。
※ホワイトハウス公式サイト『Executive Order on Taking Additional Steps to Address the Situation in Venezuela』より
仮想通貨を取り巻く環境は、目まぐるしく変化を続けており、特に超大国と言われる米国の動きは目が離せません。
それだけに、議会でのプロセスを通さずに発令できる大統領令は、瞬時にして世界に影響を与えかねます。
より仮想通貨の知識を深めようと思えば、グローバルな視点で世界の動きをとらえ、経済や世界情勢までも知ることも大切になってきます。