IoTを前提に開発された仮想通貨IOTA(アイオーター)は、数ある他の仮想通貨と違い、ブロックチェーン技術をベースにしておらず、Tangleと呼ばれるDAGを活用して運用されています。
今日はIoTとIOTAの記事から3カ月ほどたった、IoTとIOTAを取り巻く最新状況をお伝えします。
富士通などの大御所企業を魅了するIOT
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近未来のひとつの技術であるIoTや独自の成り立ちを持っているアイオータ(IOTA/通貨コード:MIOTA)については、当サイトでも5月に紹介していますので、そのページを参考にしてください。
※IOTAに関する当サイトの過去記事『IOTA(アイオータ)とは?歴史や仕組みを初心者に簡単に分かりやすく解説』も併せてご覧ください。
IOTAにブロックチェーン技術が使われてないと言っても、Tangleも同じように分散型の形態で成り立っているので、現在の主流である中央集権型システムではありません。
ブロックチェーン技術にないメリットとして、IOTAには大きな電力を消費するマイニングのプロセスが必要ないため、環境面でも非常に期待できるシステムを持っています。
マイニングに電気代がかからないため、通貨を送信する際の手数料がかからないのも大きな魅力になっています。
IOTAは、私たちの暮らしの中にある“モノ”同士がすべてインターネットでつながり、互いに情報を交換し共有し合う世界を見すえて作られた通貨です。
2015年12月にICOから始まり、現在はIOTA Foundationが管理をしています。
マイクロソフト(Microsoft Corporation)や富士通などともパートナーシップを結び、より高い技術を求めて開発にあたっています。
6月には、ノルウェーの商業銀行DNB bankとも契約を結びIoTが浸透する世界の実現へ向けて確実に道筋を作っています。
IOTAがもたらす未来像に投資
IOTA Foundationの公式ツイッターでは、富士通が標準プロトコルとして、IOTAを活用していく準備が整ったと発表されています。
富士通は、もともとIoTを視野に入れた企業体制を築き、IoTが当たり前となる世界を想定しています。
富士通の製品にIOTAがプロトコルとなれば、IOTAの性質上3つの利点がもたらされます。
透明性、データの信頼性、セキュリティの信頼性が向上すると言われ、この3点は製品を製造し販売する上でとても重要なポイントです。
IOTA Foundationは富士通やマイクロソフト以外にも、ボッシュ(Bosch)やフォルクスワーゲン(Volkswagen)とも提携を結んでいます。
IOTAの購入は、ひとつの仮想通貨としてよりは、IOTAのもたらす未来像に投資している人もいるのではないでしょうか。
IoT、モノとモノとがつながり合い、連携し合う世界はすぐそこまで来ているかもしれません。
フォルクスワーゲンとIOTから生まれた新技術
フォルクスワーゲンとIOTAが進めてきた新たな技術が完成し、ほぼ実用化の準備が整っているとの情報があります。
フォルクスワーゲンも富士通と同様、IoTが暮らしの中に浸透している未来を見すえて企業方針を定めてきました。
IOTAとフォルクスワーゲンが共同で進めてきたDigital CarPassは間もなく一般に公開され広く使用される見通しです。
Digital CarPassは、車のテレマティクス・データを実用化するためのアプリケーションです。
Digital CarPassを使用することでその車の経歴がデータ化され、過去の履歴も分かります。
修理状況や走行距離なども記録されるようになるので、車を手放したいときや中古車を購入するときに、改ざんできないデータとして有効です。
このテレマティクスは将来的には自動運転化まで道筋が続いています。
日本では、現在『完全自動運転』の域には達していませんが、『半自動運転車』の実現を2020年をひとつの区切りとしています。
完全自動運転が可能となれば、今までの自動車のあり方を根底から変えることにつながります。
それほどまでに、IoTが創り出す近未来は想像しきれないほどの可能性を秘めています。
IOTAやIoTがもたらす経済効果や利便性に夢を託しているさまざまな企業が技術の開発に力を入れています。
台湾の首都である台北は、IoTのメリットをうまく活用することで、IT先進国でもあり、IoTでの聖地としての活躍を目指しています。
台北を上げて、新しい技術の導入を積極的に行い、アジアからだけではなく世界からも注目を集めています。
すでに浸透しているかにも見えるブロックチェーン技術とは異なるシステムを持つTangleの発展と浸透、そして同じ分散型社会を目指す技術としてのブロックチェーンとTangleの共生も期待できるのではないでしょうか。