仮想通貨の取扱いについて二転三転するインドで、これまで仮想通貨に対してどのような法的位置づけをするかで議論されてきましたが、どうやら政府はビットコインなどの仮想通貨ではなく、ブロックチェーンに注目し、国の繁栄に繋げていこうと検討しているようです。
インドがブロックチェーンに注目
インド政府は長きにわたり、仮想通貨の法的位置づけが議論されていました。しかし、最近になってインド政府は仮想通貨ではなく、ブロックチェーンにスポットを当て、世界のブロックチェーンのハブとして活躍する活路を見いだしたようです。
各国の政府が仮想通貨について、どのような位置づけをするか、法的な整備が急務であるとの認識を示す中、インドではなかなか結論に到達できず、政府内でも意見が二転三転していました。
※当サイトのインドに関する特集記事「インドの規制法案は仮想通貨使用で10年の刑期有りの厳罰化へ!?」、「ビットコイン取引所が合法化するもインド市場にはすでに遅すぎた!?」、「仮想通貨全面禁止規制が実施されるインドで間もなく規制緩和か?」もあわせてご覧ください。
RBI(Reserve Bank of India=インド準備銀行)のシャクティカンタ・ダス(Shaktikanta Das)総裁が先週の木曜、中央銀行が発行するデジタル通貨の可能性について話すのはまだ早いと語りました。
この発言によって、RBIがインド国内でのデジタル通貨発行を検討したことが分かりました。
この発言は、インドが新たなブロックチェーン戦略を発表してからわずか数日後のことです。
地元の報告によると、ダス氏は、中央銀行が発行したデジタル通貨に関して、政府や他の国の中央銀行との「非常に初期の段階」で「いくつかの議論が行われている」と述べました。
同氏は、中国が独自デジタル通貨の発行が目前に控えているにもかかわらず、一部では十分な保護の対策がなされておらず、実質準備不足の状態であることを語っており、技術が適切な安全対策を講じて進化する時こそ、準備銀行が適切な時期に真剣に検討する分野であるとコメントしています。
さらに同氏は、RBIの立場について、通貨発行は主権機能であり、主権者によって行われなければならないため、世界中の中央銀行と政府は民間デジタル通貨に反対していると述べています。
インド当局は暗号化業界の大規模な取り締まりを開始し、銀行が暗号化会社と協力することを禁止しました。
インド政府はブロックチェーン技術戦略を準備
つい先日、インド政府がブロックチェーン技術を使用するための国家戦略を準備していると発表しました。
電子情報技術省がブロックチェーンテクノロジーをスケールアップさせ、広く展開する計画であり、ガバナンス、銀行、金融、サイバーセキュリティなどの分野での可能性を秘めた“重要な研究分野の1つである”と説明しました。
ドトレは、同省はイニシアチブで銀行技術開発研究所や他の政府機関と協力する予定で、同省は学術成果物、販売証書に加え、その他の文書を認証するためにデジタルアーティファクト用のブロックチェーンベースの存在証明(PoE)フレームワークを開発していることを明かしました。
ブロックチェーンソリューションは、すでにインドのテランガナ州で試験運用されており、同省はクラウドセキュリティと貿易金融を可能にする他のイニシアチブにも言及しています。
揺れるインド国会での結論とは?
6月、インドの通信規制当局は、すべての通信事業者がブロックチェーンを使用して顧客をスパムから保護する必要があることを義務付けました。
インドではさまざまなブロックチェーンの実装を検討してきたものの、これまで仮想通貨について否定的な立場を崩しませんでした。
仮想通貨取扱いを禁止し、違反者には10年の懲役刑を与えると検討していた件についてはインド国内で議論され続けてきましたが、現時点ではまだ法律には至っていません。
インド国内の立場は最終的に、議論が長期化しそうな仮想通貨に対する法的位置づけの議論より、世界各国で驚異的な進歩を続けるブロックチェーンに焦点を当て、他国に後れを取らないよう、国を飛躍させていく方針に切り替えたと考えるのが正解ではないでしょうか。