人気仮想通貨のひとつであるイーサリアム(Etherum/通貨コード:ETH)で、今月4日に予定されていたハードフォーク「イスタンブール(Istanbul)」が、開発者会議で来月2日頃に延期される見通しをイーサリアム財団のハドソン・ジェームソン氏によって発表されました。
ETHハードフォークが1カ月遅れになる見込み
※動画引用元:「Ethereum Core Devs Meeting #70 [2019-09-06]」Ethereum Foundation
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先週金曜に開かれたイーサリアム開発者技術会議「All Core Devs Meeting」にて、イーサリアム財団のコミュニティマネージャーであるハドソン・ジェームソン(Hudson Jameson)氏が、今月4日に実施される予定であったハードフォーク「イスタンブール(Istanbul)」が遅れている件について発言したことが複数メディアによって報じられました。
※当サイトのイーサリアムに関する特集記事「イーサリアム共同創設者ジョセフ・ルービン氏が提訴される可能性浮上」、「リエントリー攻撃により延期!イーサリアムのハードフォーク」もあわせてご覧ください。
会合でジェームソン氏は、イスタンブールのテスト実施について、テストネットRopsten にて、10月2日頃になるだろうとし、予想されるブロック番号を選定したと明かしました。
ただし、この予想日についても、ブロック生成時間に大きく影響を受けるため、生成スピードが多少早まったり遅れる可能性も十分考えられることから、1日か2日のズレは起こりうることを語っています。
ハードフォークのイスタンブールテスト実施日の遅れについては、EIP(Ethereum improvement Proposals=イーサリアム技術仕様の改善提案)の受け入れが遅れているためであるといわれており、これによってインスタンブールメインネット立ち上げにつても11月にずれ込む見通しです。
なお、選定されたブロック番号については明らかにされていません。
EPIリストの内容とは
先月15日にはイーサリアムコア開発者らAll Core Devs Meeting技術会議にて、EPIリストを完成させています。
このリストにはイスタンブールが2つのフェーズによって実行されることが分かりました。
フェーズ1
6つのEIPで構成されており、10月にイーサリアムのメインネットで公開される予定です。
フェーズ2
コア開発者からのさらなるテストと審議を必要とするプログラムによる作業証明であるProgPOWコンセンサスアルゴリズムへ移行させ、イーサリアムをよりASIC耐性にする提案などのEIPで構成されています。
ただし、ProgPoWは設計目標を達成するとみられており合理的な経済効果をもたらすと言われていますが、1つの(潜在的な)攻撃が見つかったため、ProgPoWが将来的に意図したとおりに機能することを確実に保証させるため、ProgPoWの完了待ちの監査が残されていることが分かっています。
8月15日の会議で、イーサリアム財団チームリーダーであり、コア開発者のピーター・シラジ(Péter Szilágyi)氏は、テストネットRopstenでのイスタンブールフェーズ1のアクティベーションを、9月4日に実施したいと考えていたが、さらに遅れるかもしれないと語っていました。
その理由として、クライアントであるParityなどで作業しているチームが、合意された6つのEIPの実装をテストするのに十分な時間を必要であるためとコメントしていました。
開発者によって審議された約30項目のEIPのうち、イスタンブールに含関連する項目は6項目で、他に8つのEIPが「ベルリン」と呼ばれるシステム全体のアップグレードまたはハードフォークの進行を暫定的に計画していることによって審議される内容であったとしています、
今回、イスタンブールのテスト実施が予定より1カ月遅れたことで、11月までメインネットのアクティベーションも同様に延期される見通しで、セキュリティ上重大な問題が生じなければ、イーサリアムは次のハードフォーク「ベルリン」へとコマを進めていくとみられます。