無登録で仮想通貨の換金を代行していた業者「FORBES」が9日2億5,000万円の所得隠しを東京国税局の税務調査によって判明していたことがわかりました。
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無登録の仮想通貨換金業者が2.5億円の所得隠し
今月9日、仮想通貨の換金代行を行っていた無登録業者のFORBES(株式会社FORBES:2017年設立/東京都港区麻布台)が、恐恐国税局の税務調査を受け、昨年5月期に経理処理ミスも含めた約2億5,000万円の所得隠しを指摘されていたことが大手メディア各社の報道によってわかりました。
日本国内では仮想通貨交換業を行う際には一昨年4月に施行された改正資金決済法にのっとり、金融庁へ届け出を行い、登録を行うことが義務付けられています。
FORBESが所得隠しと判断された背景
国税局では、高騰する仮想通貨によって巨額の利益を得た個人投資家が急増していたことなどを背景に税務調査の強化を実施しており、仮想通貨の換金代行業者の所得隠しが発覚したのは今回が初めてでした。
2億5,000万円を超える所得隠しをFORBESが指摘された背景には、同社が収入の一部しか申告をしていなかった事や、会計管理の曖昧さやミスなどが重なっていたことを理由に、適正な税務申告を行わず、所得隠しおよび隠ぺいにあたると国税局側が判断したとみられています。
なお同社は無登録で仮想通貨の換金業を行っており、平成30年5月期の売上高はおよそ6億円にのぼり、事業収益の大半が仮想通貨の換金によって得られる換金手数料からであるとみられています。
FORBESが国税局から受ける法人税の追徴税額は重加算税などを合わせて1億円を超えるのではないかといわれています。
所得隠しのからくり
FORBESの所得隠しが発覚した今回、大手メディアが関係者に取材を行ったところ、同社では個人同士の仮想通貨換金取引を複数のブローカーを通して引き受け、正規取引所で換金後に発生する1%~5%の不定額を同社とブローカーとで山分けして利益を得ていたことが分かっています。
また、FORBESはこの際に得る手数料のうちの一部しか申告をしておらず、18年5月期の利益6億円は、同社で数百億円分の仮想通貨の換金によって得られる利益であったとみられます。
仮想通貨の換金に関し、個人が換金して利益を得た場合、正しく納税したかの確認を行うのはブローカー経由であったこと、個人のウォレットからブローカーを経由し、匿名性が高く判別も難しいため、これを悪用した脱税の温床に危機感を募らせた国税局側も警戒を強めていました。
仮想通貨関連の脱税に目を光らせる国税庁
今回の所得隠し発覚に際して株式会社FORBESの社長は申告したつもりだったが今後はこの様なことが起きないように気をつけたいとコメントしています。
昨年日本経済新聞は報じたところによると、昨年11月中旬に、国税庁が2018年6月までの1年間に実施した所得税の税務調査を実施しています。
その結果、申告漏れが38万件にのぼり、総額は前年度より1.7%増の9038億円になった事が分かったほか、追徴税額が約1200億円に上っていたことを報じています。
課税対象所得額 | 税率(%) | 控除金額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円以上330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円以上695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円以上900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円以上1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円以上4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
確定申告シーズンの現在、利益を手にした仮想通貨ユーザーの多くが確定申告に疑問や不安を抱えているとみられていますが、申告が遅れたり故意に申告をしなかった場合には、期間や悪意の度合いによって課せられる追徴課税が異なってくることから、早めの申告を行ってください。
所得税および復興特別所得税・贈与税 | 3月15日までに申告・納税 |
個人異業者の消費税および地方消費税 | 4月1日までに申告・納税 |
※当サイトの特集記事
『もしついうっかり確定申告をし忘れた場合はいったいどうなるのか?』
『今年もやってきた確定申告の季節!仮想通貨取引の確定申告について①』
『今年もやってきた確定申告の季節!仮想通貨取引の確定申告について②』もあわせてご覧ください。
※参考サイト
国税庁『申告手続の流れ』
『平成30年分確定申告におけるお知らせ』
『確定申告を忘れたとき』