オランダの銀行が仮想通貨ウォレットサービスを開始する事を発表後、規制上のリスクがあるとしてこのプロジェクトを中止したわずか4カ月後、マネーロンダリングスキャンダルに巻き込まれていることが、海外メディアの報道によって報じられました。
オランダの銀行がマネロン調査を受ける
オランダの銀行ABN AMROが、ビットコインウォレットを開始すると公表後、規制上のリスクがあるとしてビットコインウォレットプロジェクトを中止した4カ月後、マネーロンダリングのスキャンダルに巻き込まれたことを発表しました。
公式サイトでは
2019年9月25日水曜日、オランダの検察官はABN AMROに、銀行がマネーロンダリングの防止とテロ資金供与に関する法律に基づく要件に関連する調査の対象であることを伝えました(オランダ語:Wwft)。 ABN AMROは調査に全面的に協力します。
と記載されており、オランダの検察官がクライアントのチェックに失敗した疑いについて調査中であることを公表した直後より、同行はアムステルダムで国営銀行の株式が12%も下落した事が判明しました。
しかし、発表された内容にはどのような種類のトランザクションが関係していたのか、また、仮想通貨は使用されていたのかどうかなどの詳細に関する情報は一切記載されていないため、不明な点が多い発表となっています。
マネーロンダリングの防止
今回はABN AMRO銀行がオランダの同業者であるING、ラボバンク、トリオドス銀行、フォルクス銀行と提携してマネーロンダリング防止を目的とした共同組織の設立を議論した直後に発表されています。
ABN AMRO銀行の最高経営責任者のキース・ファン・ダイクホイゼン(Kees van Dijkhuizen)氏は今月17日に、マネーロンダリングとテロリストの資金調達を防ぐことは、私たちの最優先事項の1つであり、支払い取引を監視する組織を設立する可能性に向けて、他の銀行と一緒に第一歩を踏み出したことを非常にうれしく思うと語っていました。
ABN AMRO のウォレットサービスに関する流れ
今年1月、The Next Webは、ABN AMROがTwitterを通じて、仮想通貨を保有している顧客500人を対象に、新しい仮想通貨ウォレットのトライアルを実行していることを報じています。
このテストウォレットは「ウォリー」と呼ばれ、ABN AMROのオンラインバンキングサービスの一部として、顧客にビットコインを簡単でなじみのある方法で管理する方法のひとつとして、デジタル資産保管ツールを提供すると発表していました。
しかし、報じられた内容とは異なり、ABN AMROの広報担当者は、テストする実際のビットコインウォレットはなく、ベータ版でもないことを明らかにし、仮想通貨市場でどのような役割を果たすべきかを調査して理解するためにトライアルを展開したと語っていました。
否定的な意見を語った当時、ABN AMROは、金融規制当局であるAFM(AutoriteitFinanciëleMarkten)およびDNB(De Nederlandsche Bank)と協議し、顧客が仮想通貨に関して銀行から何を必要としているかを理解していたとあかしています。
仮想通貨を銀行が保管するとなった時、実際は仮想通貨をどのように保存するか、当時よりまだまだ議論の余地のある問題だとしています。
当時より銀行が仮想通貨ウォレットを提供する事に対し、仮想通貨市場より大きな関心が寄せられていましたが、このプロジェクトを中止したすぐの後、マネーロンダリングに関する調査を受けています。
実際は銀行がどのような調査を実施し、どこまでプロジェクトを進めていたのかなど、一切の情報が開示されていない今、捜査の行方と今後の発表を銀行顧客や仮想通貨市場関係者は待つしかなさそうです。