先日、海外仮想通貨メディアによって、ビットコインのハッシュレートが低下していると報じられました。その背景にはビットコイン価格の下落が大きく影響しており、マイニングを実施しても、利益を上げられないため、マイニング企業の中にはマイニングそのものを一時的に停止させている企業があり、これらが大きく影響している模様です。
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ビットコインのハッシュレートが過去最大に低下!
※画像引用元:blockchain.info
ここ最近のビットコイン価格の下落は市場全体へと大きく影響を与えており、ビットコインが登場してから右肩上がりで上昇を続けてきたビットコインハッシュレートですが、ここへきて史上2番目にマイニングが難しい状況に陥っているといわれています。
上に掲載した画像を見ても分かるように、今年10月頃を境に折れ線グラフが下がっていることが分かります。
ハッシュレートとは採掘速度、つまりマイニングの速度が表示されるものです。
マイニングには高度な計算を読み解く専用機器を用いて行いますが、ハッシュレートの“ハッシュ”は、演算が行われ、いかに早く計算を行えるかであり、マイニングが活発であればハッシュレートのグラフは上昇し、活発ではない時にグラフが下がるため、マイニングの活発度が一目でわかります。
ビットコイン価格が下落すると、マイニング企業は報酬を得ても採算が取れないため、ハッシュレートが下がっていきますが、実際にビットコイン価格が下がる1カ月前からハッシュレートが下がっていました。
ビットコインマイニング
※画像引用元:Bitcoin Block Bot
マイニング難易度は取引量の増加やビットコイン価格が高騰するにつれ、その難易度が増していきますが、逆にハッシュレートが下がるとマイニング難易度低下します。
※画像引用元:Fernando Ulrich公式Twitter
史上2番目のハッシュレート低下はデス・スパイラル?
サンタクララ大学のファイナンス教授であるアトゥヤ・サリン(Atulya Sarin)氏は、現在の仮想通貨市場が“デス・スパイラル”に陥っている事を意味していると主張しています。
その理由として、ビットコインはその価値をマイニングコストから引き出すからであるとの見方を示しました。
しかし、eToroシニアマーケットアナリストのマティ・グリーンスパン(Mati Greenspan)氏サリン教授とは全く反対の主張をしています。
グリーンスパン氏によると、最近のハッシュレートの低下は価格が急落したとしても、過去12カ月間に肥大化した放物線率を前提に、健全な市場の発展の現れであると述べています。
Bitcoinのハッシュレートは、ここ数週間で実際に下がったが、これはまったく問題ではない。年内に急激に金利が上昇し、今や標準化レベルに戻っている。
と、グリーンスパン氏は述べています。
マイニング企業は拠点を移していた
当サイトで特集をした『熱い注目を集めるマイニングが狙う役割と膨大な電力が必要な理由とは』
『米市議会がマイニングの新規参入を禁止!マイニングに最適な環境とは』
『マイニング業者に中国政府が厳しい税務調査を理由に電力の供給停止』
も参考に、合わせてご覧ください。
マイニング企業はこれまで主に中国の冷涼な地であり、電気代の比較的安価な貴州省と新疆省に拠点を構えていましたが、仮想通貨市場に対して厳しい姿勢を貫く中国政府により、マイニング業者へ税務調査を実施、さらに電力の供給停止といった規制を行っていました。
そのため、貴州省や新疆省に拠点を構えていたマイニング企業が海外へと活路を見出し、移転する企業が相次いでいました。
もちろん、中国政府による厳しい姿勢も大きく関与していますが、ハッシュレートン低下と、ビットコインの大幅な価格の低下によって受けたダメージにより、利益を得られない企業が海外へと拠点を移すことで利益の追求をしているとの見方もできます。
マイニングに対し、2人の専門家の相反する意見がクローズアップされている中、今後どのような結果を見せてくれるのでしょうか。
※参考サイト:ccn