自称サトシ・ナカモトを名乗る“自称発明家”のクレイグ・ライト氏と、かつてそのビジネスパートナーであった故デイブ・クライマン氏の遺族との1年に渡る長い訴訟を繰り広げていましたが、昨日、ようやく終わりを迎えたと海外メディアが報じています。
裁判所はクレイグ・ライト氏を偽証と判断
※画像引用元:COULT LISTENER
今月27日に開かれた法廷審理の後、クレイグ・ライト(Craig Wright)氏に対する判決で、これまでの報告書を確認する文書を記録に入れたことが分かりました。
100億ドルに相当するビットコインの所有者をめぐって自称サトシ・ナカモト氏と、かつてビジネスパートナーであった故デイブ・クライマン(Dave Kleiman)氏の遺族の間で繰り広げられてきた1年にわたる長い争いがついに終わりを迎えました。
※当サイトのクレイグ・ライト氏に関する特集記事「米連邦裁判所がクレイグ・ライト氏にビットコインアドレス開示要求」、「クレイグ・ライト氏米著作権局にBTCホワイトペーパー著作権を申し出る」もあわせてご覧ください。
コンピューター科学者であった故クライマン氏の遺族と、クライマン氏のビジネスパートナーであった自称発明家で自称サトシ・ナカモトと名乗るライト氏との間の紛争で昨日、法廷審理が開かれました。
法廷ではこれまでの報告書を確認する文書が記録されたたうえで提出されており、これらの文書にブルース・E・ラインハート(Bruce E. Reinhart)判事は、ライト氏が“意図的”に不正(偽証)をした文書を裁判所に提出し、司法手続きを妨害し、偽証をしたことが分かったとしています。
遺族へ50%のビットコインをとの裁定
ラインハート裁判官は、裁判所が2013年12月31日より前にマイニングされたライト氏が保有するビットコインの50%をクライマン氏の遺族へ裁定することを推奨しています。
同裁判官は、ライト氏とクライマン氏の遺族がビットコインに関連した知的財産を共同で開発し、ビットコインマイニングのため、50:50のパートナーシップを締結したことを確立したと語っています。
…つまり、ラインハート裁判官は故デイブ・クライマンが亡くなる前に、ライト氏によってマイニングされた全てのビットコインはマイニングされた際のパートナーシップ締結が有効なため、両者の共有財産であると判決を下しています。
クライマン氏の遺族側は、2019年9月20日までに故クライマン氏の財産に対する法的費用およびその他の各種費用と資産の正式な請求文書を提出する必要があり、裁判所の命令に従って「合理的な費用の裁定」を決定するとしています。
ライト氏は控訴の権利あり
故クライマン氏の遺族代表であるイラ・クライマン(Ira Kleiman)氏は、1年以上前にライト氏に対して訴訟を起こしていますが、ライト氏は故クライマン氏との共同マイニングによって110万ドル以上の価値があるビットコインから遺族を遠ざけるために動いていたと主張しています。
遺族側は、ライト氏の防御行為は主に、亡くなる直前に故クライマン氏が共同で行ったビットコインマイニングで入手したビットコインの共同権利を放棄したという前提に基づいて偽装工作が行われたと主張。
ライト氏は自分の主張を裏付けるため、故クライマン氏からの“疑惑のメール”を導入し、その後撤回しています。
ライト氏はこの決定に反対できませんが、控訴する権利は有されています。
同氏は裁判で一貫してマイニングによって入手したビットコインへはアクセスできないといわれる英国のセーシェル諸島とシンガポールのブラインドトラストに保管されているため、ビットコイン保有の完全な会計を作成できないと主張していました。
裁判官は最後に、訴訟でライト氏が作成した文書には不正であったという“確実で信頼できる証拠”が見つかったと語っています。