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GMOインターネットの大志が形になったASICマシン『GMOマイナー』の行方

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先日の記事で福岡市のTRIPLE-1社が、試みている国産ASICの開発を紹介しました。実は、マイニングマシンASICの開発や販売を実行している日本企業はTRIPLE-1社だけではありません。仮想通貨取引所も手がけるGMOインターネットも半導体技術者との協力の下、7nmのチップを開発し、世界に通用するASICの販売を目指して動き出していました。販売開始から半年後に『道半ば』にも満たないと見られる状況で、ASIC事業の撤退が決定されます。
※昨日の当サイト記事『福岡TRIPLE-1社のKAMIKAZEがASICの概念を上回る?消費電力を抑え処理能力アップ』も併せてごらんください。

 

 

マイニング成功率の低さがGMOマイナーにとって致命的となる?

 

 

GMOと聞くと仮想通貨取引所であるGMOコインを思い浮かべる人もいれば、インターネットの広告やインフラを主な事業にする「すべての人にインターネットを」の合言葉で知られるGMOインターネットが想像されるかもしれません。

 

GMOインターネットは、1991年に創立された企業で東京に本社を構えています。
インターネットの持つ魅力が仮想通貨とブロックチェーン技術にもあることを感じ、2016年10月に株式会社GMOコインを立ち上げます。

処理能力と消費電力が最適化できるASICの開発販売を目指し、全くの畑違いとも言える半導体の世界に2017年から参加しています。

 

思いと技術を凝縮した『GMOマイナーB2』と『GMOマイナーB3』

 

 

GMOインターネットGROUPの公式サイトが提供するニュース欄に、最先端技術である7nm(ナノメートル)のチップを採用した『GMOマイナー B2(以下B2)』が2018年6月6日から発売開始されると大きく書かれています。

※『最先端7nmプロセスのマイニングASIC「GMO 72b」を搭載したマイニングマ「GMOマイナー B2」を本日販売開始~ 1台あたり24TH/sを搭載、1TH/sにつき最大20%の電力削減を実現~

ちなみに…ナノメートルは10億分の1メートル、または100万分の1ミリですので、針の穴とは比較にならない程の小さなチップです。

 

B2が所有するマイニングの計算能力にあたるハッシュパワーは24TH/s、消費電力も1TH/sに対して最大で20%も抑えられることから、従来のASICよりも高い処理能力を実現しながら、マイニング最大の問題点でもある消費電力問題を解決しています。
ナノメートルに引き続き、日常的には使わない単位であるTH/sは、1秒に何回マイニングの計算ができるかを示しています。
24TH/sになると、1秒に24兆回もハッシュ計算ができる能力になり、この数字も感覚として実感するのは不可能なレベルです。

 

ASICの販売元としても有名な中国のBITMAIN社同様に、GMO社のASICも相場制になり、初回となる6月に販売し10月末の出荷予定分は1,999USドルで、予定している分は全て販売され順調な幕開けを飾っていました。

 

GMOマイナー B2の発売開始から約ひと月後の7月2日に、『GMOマイナー B3(以下B3)』の発売を開始しています。
B3のハッシュパワーは最大33TH/sまで可能になり、B2と同様に7nmのチップを搭載し、マイニング環境に最適化するためにハッシュレート(採掘速度)が自動と手動で調節できる機能が追加されています。

7月販売分のB3に関してはB2と同じ価格の1,999ドルで、1カ月早くB2を購入した人に対しては、無償でハッシュパワーのアップグレードに対応していました。
B2の最大消費電力は1台につき1950Wでしたが、ハッシュパワーが増大しているB3では3417Wですので、電気代も自然に高くなります。

 

 

急転換を見せたGMOインターネットの発表

 

GMOインターネットでは自社で開発したASICの発売を目指して、日本の半導体技術を集結して2017年9月から7nmチップの研究を始めていました。
世界的な仮想通貨市場とマイニング事業の停滞はあるものの、新技術を活用したASICの発売が快調に進み、今後も継続されると思われていました。

12月25日に発表された収支報告には、マイニング事業において約355億円もの特別損失を計上したことを受けとめて、マイニングマシンの開発販売から撤退を決定したことが書かれています。
撤退をやむなくした理由に、マイニング事業で収益の要となる仮想通貨価格の下落とハッシュレートが想定以上に上昇したことが上げられています。

B3の部品調達が間に合わず11月発送予定分の延滞が前段階としてありましたが、将来的には7nmの上を行く半導体チップの開発という大志を抱いていた事業だけに、マイニング業界全体にとっても、躍進の要となる原動力を失ったとも言えます。

仮想通貨の専門家は、仮想通貨全体の低価格がハッシュレートに反映されず、ハッシュレートは2018年9月まで上昇を続けたことが、多くのマイナーがマイニングを断念する原因になったとの見解を持っています。

自社マイニング事業は『統括法人』として継続を続け、より安価な電気代や再生可能エネルギーが使用できる地域への移設を検討しています。



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