国内での仮想通貨取扱いに揺れるインドですが、そのインド市場に注目し、仮想通貨取引所最大手のBinanceが、地元仮想通貨取引所のWazirXを買収したことが発表されました。WazirXの買収の背景にはいったい何があるのか、初心者ユーザーにも分かりやすく解説します。
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Binanceがインドの仮装通貨交換所を買収
※画像引用元:Wazirx
今月21日、世界最大クラスの仮想通貨取引所であるBinanceが、インドのムンバイに拠点を構える仮想通貨取引所WazirX(ワジールエックス)を買収したことを発表しました。
この買収によってBinanceとWazirXでインドルピーを対象にした10億人を超えるインド市場に参入したことが明らかになりました。
今回の買収価格は500万ドル~1000万ドルの間と言われているほか、テクノロジースタックの統合は、2020年の第1四半期までに完了する予定です。
WazirX(ワジールエックス)について
※画像引用元:Wazirx
WazirXは2018年にムンバイに拠点を構えて創業。
同取引所は当初、WRXコインの取引を行うプラットホームとして立ち上げられましたが、80種を超えるトークンを取り扱うほか、高速トランザクション処理機能や最先端本人確認システムの導入など、取引所としての機能面およびセキュリティ面で高い水準を誇る取引所です。
さらに同取引所が注目されている点であったのが仮想通貨を保管する独自ウォレットサービス「WazirXウォレット」の提供で、仮想通貨購入から保管までの一貫したサービスでインド国内から高い人気を集めていました。
なお、今回の買収に伴い、BinanceのCEO(最高経営責任者)であるCZ氏ことチャンペン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、インドの若い人口動態に注目し、新たな金入技術を採用し、構築するための優位性を提供することでインドを世界のブロックチェーンイノベーションセンターとして重要な役割を果たせるとの考えを明かしています。
なお、今回の買収によってBinanceはインドルピーで仮想通貨取引ができるようになります。
マティックネットワークのICOも開始
※画像引用元:Matic Network
マルタを拠点とするBianceは、取引所としての事業拡大と仮想通貨の普及を目指して今年に入ってから快進撃が続いており、世界中のさまざまな法定通貨のサポートができるよう勧めています。
ジャオ氏はメディアの取材に対し、今回のインド買収が企業拡大最初の進出だと語っており、主な目標の1つにBianceにフィアット通貨を追加させ、各国の地元パートナー企業と協力し、できるだけ多くのフィアットと暗号のペアを追加することであると語っています。
また、Binanceでは、Launchpadでマティックネットワーク(Matic Network/通貨コード:MATIC)トークンのICO(= Initial Coin Offering=新規仮想通貨公開)を開始しています。
このICO販売はWazirXにとり、事業範囲拡大のめの資本の新たな注入を意味すると同時に、世界初のP2P(ピアツーピア)自動マッチングテクノロジーを構築したと主張しています。
インドと仮想通貨
インド国内では、仮想通貨の取扱いをめぐり、議員と中央銀行で対立しており、仮想通貨推進派の議員がメディアなどを通じて肯定的な意見を発信するなか、中央銀行は依然として仮想通貨取引自体を禁止しているままです。
また、政府としては完全禁止を検討していると言われているものの、現在も仮想通貨に対する姿勢は二転三転している状況が続いています。
※当サイトのインドでの仮想通貨取扱いに関する特集記事「インド政府が仮想通貨はポンジスキームだとして全面禁止を検討!」、「インドの仮想通貨規制準備が整う!近く新財務大臣へ報告書提出へ!」、「インドの規制法案は仮想通貨使用で10年の刑期有りの厳罰化へ!?」もあわせてご覧ください。
インド市場は他のアジア各国と比較するとあまり多くないとみられるものの、仮想通貨取引に関しては国の方針にかかわらず着実に増加傾向にあるといわれています。
※参考サイト:BINANCE「Introducing the Matic Network (MATIC) Token Sale on Binance Launchpad」
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