昨年9月にロンチーされた新しいステーブルコインのUSD Coinとはいったいどのようなコインなのでしょうか。また、最近増えているフィアット通貨と連動した他のステーブルコインとは何が異なっているのかについて初心者ユーザーの皆さんにも分かりやすく解説します。
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USD Coinとは?USD Coinの概要
※画像引用元:USD Coin
USD Coin(USDC)は、大手仮想通貨取引所であるポロニエックス(Poloniex)を買収したクリプト系金融事業を展開するサークル(Circle)社が開発しています。
※画像引用元:CoinMarketCap
本日付のCoinMarketCap時価総額ランキングで33位に上り詰めた人気のステーブルコインです。
USD Coinの最大の特徴は、アメリカドルに連動したステーブルコインで、ドルの価値の変動によってUSD Coinの価格も上下変動をしています。
ドルに連動することで、仮想通貨特有の急激な高騰や下落といったボラティリティ(仮想通貨の価格変動差)がアメリカドル= USD Coinのため、比較的安定していると言えます。
ステーブルコインのため、フィアットから仮想通貨へわざわざ交換する必要はなく、直接フィアット⇔仮想通貨の取引が可能であるのが魅力といえるでしょう。
サークル(Circle)とは
※画像引用元:Circle
日本人にはあまりなじみのないサークル(Circle)社ですが、アメリカを中心に仮想通貨市場ではとても有名な企業。
オープンな仮想通貨テクノロジーが、世界の閉鎖的な既存金融システムに取って代わって、より公正で包括的でアクセスしやすい経済へ参加できるようにするという信念のもと、2013年に設立されました。
※引用元:Circle
と公式サイトにも記載されていることからも分かるように、設立から6年目を迎えた新しい企業です。
※画像引用元:Circle
Circle社はビットコインのマイニングおよびASICチップ開発で世界中で認知されているBitmain社とパートナーシップ結んでおり、Bitmain等から総額120億円の出資を受けたことでも大変注目された企業です。
昨年5月中旬におよそ1億1千万ドルの資金調達を達成し、メディアによるとCircle社の企業価値が30億ドルを超えると言われています。
USD Coin はただのステーブルコインではない
Circle社のCEOであるジェレミー・アレー(Jeremy Allaire)氏は、単に新しい物をとりいれたのではなく、OTC取引(Over The Counter=店頭取引)と仮想通貨交換サービスの一体化がCircle社の事業拡大や成長にとって必要であるとコメントしています。
昨年実施されたConsensus2018イベントでインタビューを受けた同氏は、Circle社の今後の展望として、各国のフィアット通貨(法定通貨)のトークン化を目指しているとコメントしています。
つまり、今後も各国の法定通貨に連動したステーブルコインを発行する目標を立てており、最初に一歩がUSD Coinだったというわけです。
Centre社とは?
※画像引用元:Centre
世界的大企業であるゴールドマンサックス社が投資していることでも広く知られているCircle社ですが、単一の企業が開発しているのではなく、Circle社と大手仮想通貨取引所CoinBaseが加盟する共同事業組織のCentre社が発行しています。
同社は、アメリカ合衆国財務省に所属する事務局の一つであるFinCEN(Financial Crimes Enforcement Network=金融犯罪取締執行ネットワーク)に登録しています。
※画像引用元:FinCEN
また、NYDFS(New York Department of Financial Services=ニューヨーク州金融サービス局)発行の仮想通貨事業者免許「BitLicense」を取得した認定済み仮想通貨取扱業者です。
※画像引用元:Centre
先ほど少し触れましたが、Circle社とCoinBase社が共同でCentreを設立しており、出資企業にはゴールドマン・サックス、Bitmainの名があります。
ハードウエアを得意とするBitmain社と、ソフトウエアを得意とするCircle社、株や投資など金融全般を得意とするゴールドマンサックス社、そして仮想通貨取引所のCoinBaseと提携にあることから、USD Coinは多くの幅広い層から大きな注目を集めているステーブルコインです。
※参考サイト:
USD Coin公式サイト
公式Twitter
ホワイトペーパー