アルトコインの人気も今年に入ってかなり上昇してきていると言われていますが、現在20位圏外ながらも注目されているゼットキャッシュ(Zcash)について、初心者ユーザーの皆さんにも簡単に分かりやすく解説したいと思います。
ゼットキャッシュ(Zcash)とは?ゼットキャッシュの歴史について
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ゼットキャッシュ(Zcash/通貨コード:ZEC)はビットコインの弱点を克服して誕生した第2のビットコインと言われています。
その弱点とは、送受金者アドレスや取引の内容、履歴など全情報がオープンになっているため、誰でも閲覧可能な点で、ゼットキャッシュではこれらを『ゼロ知識証明』なる技術にてこれらの情報を全て隠すことができる匿名性の高い仮想通貨として誕生しました。
ゼロ知識値証明(zero-knowledge proof)は、送金者・受取者アドレス、数量の3つの情報を隠すことに成功させ、秘匿性を高めました。
2014年にイスラエルの暗号学者と、コア研究者たちによってゼットキャッシュプロトコルが開発され、2016年10月28日にリリース。
上限発行枚数は2,100万(枚)ZECです。
一時は仮想通貨ランキング10位に浮上するなどし、かなり注目されたアルトコインですが、現在は20位圏外にとどまっています。
ゼットキャッシュの仕組み
イスラエルの暗号学者のZooko Wilicox(ズーコ ウィルコックス オハーン)氏と、ジョンズ ホプキンス大学、MIT、テルアビブ大学などの共同暗号研究チームが発足させたプロジェクトによって開発されました。
このプロジェクトによって現代数学が提供可能な最高のプライバシーと匿名性を開発したゼットキャッシュに持たせました。
ゼットキャッシュを学ぶうえで外せないのが『セロ知識証明』と呼ばれるものです。
これは、ブロックチェーンなどのネットワーク上で暗号化された情報を非公開にしたうえでトランザクションの有効性の検証を行います。
ウェブサイトへログインする際にパスワードを用いることが皆さんもあると思いますが、このログインする際に使用するパスワードにもゼロ知識証明が利用されていて、私たちの身近な所で応用されています。
ゼットキャッシュのゼロ知識証明は独自開発された「zk-SNARK」が使用されており、不正や盗難を働いていないという証明も行われています。
そして、さきほどよりゼットキャッシュが秘匿性の高い仮想通貨であるとお伝えしていますが、ゼットキャッシュの面白いところはビットコイン同様に、公開支払が可能で、非公開or公開をユーザー自身が選択できるようになっています。
ゼットキャッシュのコンセンサスアルゴリズムはPoW(Proof of Work)を採用。
マイニングのできる仮想通貨で、ビットコイン同様に半減期は4年に一度訪れ、発行上限は2,100万枚と、ビットコインと酷似している点もあります。
もちろんビットコインではないため、異なる部分も持っており、ビットコインと同じコンセンサスアルゴリズムのPoWを利用していますが、PoWの中のEquihashという違ったアルゴリズムを採用しています。
そしてもう一つビットコインと異なっているのは、ブロックサイズがビットコインは1MBですが、ゼットキャッシュは2倍の2MB、新規ブロック生成時間はビットコインの1/4の150秒で生成されます。
ゼットキャッシュのメリットとデメリット
ゼットキャッシュのメリットは、秘匿性を持った通貨でありながら、ユーザーの意向によってはシークレット部分も公開が可能である点でしょう。
これはゼットキャッシュのブロックチェーンを企業が応用利用した際、重要な部分に秘匿性を持たせながらも、相手によっては公開できることから、個人情報の保護を行ったり、情報を共有可能にしたりと自由に行える事がメリットだといえます。
さらに知っておきたいメリットの一つとして、ゼットキャッシュではZcash Foundationという非営利団体によって定期的にアップデートを行い、向上させているため、コミュニティが活発で、今後より良い通貨として発展していく可能性を秘めています。
対してデメリットでは、秘匿性の高さから、ダークな用途に用いられやすく、今年に入って各国がNEMの大量周出事件を受けて秘匿性の高い通貨の取り扱いを検討していることから、今後入手や取引がしにくくなる可能性を大いに秘めている点です。