仮想通貨ランキング15位に浮上している人気コインのコスモス(Cosmos)を、初心者の方にも分かりやすく解説する後半戦では、コンセンサスアルゴリズムやコスモスの持つブロックチェーン構造などについてさらに掘り下げて解説しています。
※当サイトで特集した「コスモス(Cosmos)とは?歴史や仕組みなど初心者にも分かりやすく解説1」前半戦はこちらをご覧ください。
目次
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コスモス(Cosmos)のコンセンサスアルゴリズムとBTF
コスモスはInternet of Blockchainをビジョンに、誰もが簡単に開発でき、相互運用の実現を目指しています。
コンセンサスアルゴリズムにはPoSを採用していますが、BFTも採用しています。
BTF(Byzantine Fault Tolerance)とは、ビザンチン将軍もしくはビザンチン故障と呼ばれるもので、複数が合意形成をする際、一部で不正や不具合が生じた場合、全体が正しい合意形成できなくなる可能性があるという問題に対しての耐性合意モデルです。
合意形成をする際にビザンチン将軍が発生した場合、Validator(検証者)閾値をあらかじめ定めておくことで故障が生じても合意形成ができる仕組みです。
コスモスのブロックチェーン構造について
※画像引用元:Cosmos
コスモスは一般的な仮想通貨のブロックチェーン構造とは異なる構造を持ち合わせています。
コスモスの中心にHubと呼ばれるブロックチェーンが存在しており、その周りにZoneと呼ばれているさまざまな仮想通貨やトークンのブロックチェーンが存在し、これらは全てHubに通じています。
この様な構造を持つことでHubを通じて各Zone同士のやり取りができます。
上に掲載したコスモスのブロックチェーン構造のイメージ図を見ると、中心にHubがあり、Hubの周りにZoneが存在していますが、ZoneもHubと同じように機能する仕組みを持っています。
それがイメージ図のHub2にあたるもので、
Tendermint BFTでスケーラビリティ問題を改善
※画像引用元:Cosmos
作業証明プロトコルは低速かつ高価で、スケーラブルでなく、環境的に有害だと言われています。
そこでコスモスではTendermint BFTシステムを採用し、Cosmos Proof-of-Stakeを強化するビザンチン将軍問題などを解決へと導いていくフォールトトレラント設計(障害許容設計)な合意システムによってスケーラビリティ問題を改善させています。
Cosmos SDKによって使いやすく
※画像引用元:Cosmos
ブロックチェーンアプリケーションはとても複雑で、開発者にとっても理解するのが難しい存在です。
そこでCosmos SDKと呼ばれる、相互運用可能なアプリケーション固有のブロックチェーンを構築するためのモジュール式フレームワークを採用し、使いやすくしています。
IBCプロトコルがもたらす相互運用性
※画像引用元:Cosmos
ブロックチェーンエコノミーはサイロ化されており、互いの間では資産を譲渡することはできません。
そこでコスモスはブロックチェーン間通信(IBC=inter-blockchain communication)を採用し、ブロックチェーン用のTCP / IP(インターネット接続技術)のようなメッセージングプロトコルによって相互運用性をもたらしています。
コスモスのメリットとデメリット
コスモスのメリットは、現在の仮想通貨システム上、取引所を通して異なる仮想通貨の交換を行っています。
国内取引所に上場していない銘柄の場合、考えられる交換方法としては、保有している通貨を円に変えてからビットコインなどのメジャーな仮想通貨を購入し、それを海外取引所へ送金してからビットコインを用いて目的通貨を入手するなどします。
コスモスの場合、これらのプロセスをコスモスネットワーク上のインターオペラビリティと呼ばれるシステムで完結させ、目的通貨を簡単に入手できます。
一方のデメリットはというと、コンセンサスアルゴリズムにTendermintベースのPOSを採用しており、莫大な資金力のある組織が資金を投じると、コスモスネットワークそのものを攻撃できます。
複数のブロックチェーンがつながった構造を有しているコスモスが攻撃されてしまえば、たちまち他の仮想通貨ブロックチェーンにも影響を与える恐れが生じます。
そのためにセキュリティ強度を上げる必要があり、コスモスが実用化されるのかについては不透明な状態です。
※コスモスのホワイトペーパーはこちらです。
参考サイト:Cosmos
Cosmosツイッター