法定通貨は常に変動しており、朝良い為替レートであっても、午後や翌日には大きく変わっている事もしばしばで、このフィアットマネー(法定通貨)の不確実性を私たち現代人は受け入れながら世界や社会と共存しています。
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フィアットマネーにはなぜ共通の通貨単位がないのか
お金の価値を知るために私たちが利用できる唯一の手段は他の通貨と比較することですが、米ドルを軸に円やユーロなど、各国のフィアットマネーが比較され、あらゆるものの値段や価値が同時に変動し続けています。
フィアットマネーの特性で大きな問題と言えるのが、なぜが“通貨”が誕生してからこれまでに世界共通の通貨単位がないことです。
普遍的な財務標準とは何か
世界的な金融基準は、メートル、リットルなどのモノの単位と似ており、価値に適用できる信頼性の高い標準化された会計単位です。
1969年に国際通貨基金(IMF= International Monetary Fund)によって創設され、米ドル、円、ユーロ、元、ポンドの5つの通貨に基づいて作成された特別引出権(SDR= Special Drawing Rights)は、金融基準に最も近いものだと言われています。
例えば、金融市場やメディアがヨルダンのディナールやパラグアイのグアラニーをSDRと比較している例はなく、SDRは普遍的ではなくIMFとその国民だけに限定されているため、個人や企業が通貨として使用できないため比較されることがありません。
その代わりに、SDRは、流動性を高めたり経済危機から脱却したりするために、加盟国の公的準備金を補うため、IMFの裁量で活用できる資産で構成されています。
真の解決策を開発した他の市場とは対照的
現在世界的な金融基準が存在しないことを考えると、世界経済はこの役割を果たすために最も安定した世界通貨の一つであると考えられる米ドルに大きく依存しています。
しかし、あらゆる国や地域が米ドルに依存するこのアプローチにはいくつかの問題があり、すべてのフィアット通貨はインフレのために時間の経過とともに価値が下落します。
そのため、世界基準として存在している米ドルすら、価格や価値が安定することはありません。
市場関係者は「すべての国の通貨と同様に、USDはそれを裏付ける政府の決定に対して脆弱である」と語っています。
ドルが脆弱と言われる理由
トランプ大統領の貿易政策は、アメリカ経済に78億ドルの巨額損失をもたらしたと推定されています。
最も懸念されているのは、現在22兆ドルを超えるとみられる“国家債務の蓄積”で、国の債務が増えるにつれて、政府の借入金返済能力に対する国際的な信頼が低下することを懸念してます。
アメリカ政府への信頼喪失はドルの価値の急落を引き起こす可能性があり、それが米ドルへの広範な依存を考えると、全世界経済を後退させる可能性があると専門家は警告しています。
ヘッジファンドの運用会社であるレイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は、次に訪れる金融危機は、前回の金融危機よりさらに深刻な状況になる可能性があると警告しており、結果としてドルの下落などの変化を招いてしまいました。
仮想通貨についての当初は、ピアツーピア方式の支払いが、交換や価値の保存の主要な手段としてフィアットに取って代わるという夢・希望を掲げていました。
サトシ・ナカモト氏が誕生させたのビットコインホワイトペーパーでは、ボーダレス性と政府の影響からの独立の概念を紹介し、数百もの仮想通貨が存在しています。
これら仮想通貨は並外れたボラティリティを示し続けているため、価値を保持するための最も安全な方法ではないと言えるでしょう。