本日前半戦でガス(Gas)とは何なのか、Ethereumと中国版EthereumのneoでGasが登場する点などを解説しましたが、後半戦でも引き続きガスについて、初心者ユーザーにも分かりやすく解説します。
※前半戦の「いまさら聞けない!ガス(Gas)とは?初心者ユーザー向けに解説1」もあわせてご覧ください。
目次
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イーサリアムにおけるGas(ガス)とは
イーサリアムのガスとは何なのでしょうか、端的に解説するならば、イーサリアムのガスとはある一つの計算単位にあたります。
イーサリアムでは自動契約検証を実行するのがスマートコントラクトで、送金やコントラクト実行時に使用する燃料がガスで、送信時にどれくらいの計算が必要かを図るために使用されます。
このガスという仕組みは”どの程度の計算が必要であるか?”という目安になっており、イーサリアム分散ネットワークを維持するマイナーのうちのトランザクション処理を実行するマイナーへ支払われます。
なお、ガスリミットは送金者がウォレットから出せる最大値を表しており、送金者側が自由に量の設定をし、ガスプライスとは1Gas当たりの価格で、いくらになるかはその時々の相場や取引される送信内容によって変動しています。
したがってマイナーは少しでも利益を増やしたいという思いから、高く設定されがちだと言われています。
平たく解説すると、イーサリアムプラットホームでは何らかのアクションを起こす際、アクションのために燃料を供給する、イーサリアムが車であるなら車に必要不可欠なガソリンであるのがガスなのです。
これらの仕組みから、イーサリアムでは”仮想通貨”としてのイーサとGasはイーサリアム内で区別されています。
ガスはユーザーが設定する!?
イーサリアムではウォレットやDEX(分散型取引所)において、ユーザー自身がガスを設定しなければなりません。
でもちょっと待ってください。
いくらでガスを設定するべきか、初心者ユーザーにとって、ガスを設定することすらかなり高い壁に感じませんか。
前半戦で解説したように、イーサリアム自体がスマートコントラクトでアプリケーションを実行させるプラットホームとしての役割りを担っています。
イーサリアムでは、トランザクションを実行させるために、イーサリアムプラットホームの仮想通貨イーサをGasとして使います。
もっと具体的には、イーサリアムの送金やスマートコントラクト実行時、ストレージ使用時にガスを使いますが、イーサリアムにはGas limit(ガスリミット)とGas price(ガスプライス)と言う2種類の異なるガスが存在しており、どちらもユーザーが自分で設定をしなければなりません。
Gas limit(ガスリミット)とは
Gas limit(ガスリミット)とは使用するGasの最大量を指しており、イーサリアム送金で必要なガスは21,000Gasで、ウォレットには送金燃料としてすでに設定されています。
この21,000Gasより少なければ送金はできませんし、多くてもトランザクション処理速度が速まる…なんてことはありません。
Gas limitが設定されている背景には、トラブル発生時にも上限価格を設定することで手数料高騰などのトラブルからイーサリアムネットワークへの負担を軽減できるからと言われています。
Gas price(ガスプライス)とは
もう一つのガスであるGas priceはガスの単位価格を指しており、ガス価格の単位はGweiで表示されています。
このGweiは1Gwei=0.000000001ETHで、
ちなみにGas priceはイーサリアムの需要によってイーサの価格が変動するため、必然的にGas priceも価格は変動しており、一定範囲内でガス価格を調整し、高めると送金速度がアップできます。
ガスは必要な場合とそうではない場合がある
イーサリアム送金時にガスが必要であるという解説をしましたが、必ずしも必要なのかというと、そうではありません。
仮想通貨取引所を介して送金する場合にはガスは必要ありません。
ではいつどのような場面でガスが必要なのかというと、MyEtherWalletやMetamaskといったイーサリアム用ウォレットを使って送金した際や、ICOセール参加時、Dappsを利用する際に必要です。
ガスとは何か?まとめ
これまで2回に渡りガス(Gas)について解説しましたが、ビットコインに次ぐ時価総額ランキング2位のイーサリアムを例にガスの解説をしましたが、そもそもイーサリアムそのものがかなり複雑な仕組みを有しています。
ハードフォークを繰り返し行っていることからも垣間見えますが、イーサリアム自体がより高度で、かつ使いやすい仮想通貨を目指しているためと言えます。
イーサリアムが理想とする仮想通貨に近づくために、ガスをはじめとした仕組みを利用して進化し続けているのです。